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日本の音 2006年2月 8日 23:16 投稿

japanese_sound.jpg 左の写真は、日本人でありながら、日本の音すなわち邦楽について、ほとんど無知である私が最近読んだ本です。

 初版は1977年12月になっていますので、今からさかのぼること28年前に出版された書籍です。著者の小泉文夫氏は民族音楽研究として、特に非西洋音楽の発掘に力を入れ、この本でも、アジア圏の音について多くのページがさかれています。邦楽器の多くは、中国や韓国からやって来たことは、歴史等で学んでいますので周知の事実ですが、楽器の形や演奏スタイル等は日本の気候や風土、はたまた、日本人の手先の器用さによる工夫のためかオリジナルからかけ離れているものもあるなど、邦楽器を演奏ができない私には「目から鱗」の内容ばかりで、音楽を通した文化人類学をほんの少しですが理解できたような気分になっています。
 また、戦後の音楽教育が西洋音楽(クラシック)中心になったことへの批判も随所にあり、我が身を振り返ると「なるほど」と思うことも多く、邦楽についてあまりにも知らない自分を音楽教育のせいにはしたくないながらも、教育とは後々の人の心まで侵してしまうのだと思うばかりでした。

 今の音楽教育がどうなっているのか、残念ながら私にはわからないのですが、愛国心云々を教育基本法に記載すべきという前に、日本の文化や伝統を通じて日本を見つめ、その先にある世界を見る目を養う教育をしてほしいものだと、ため息まじりに思っています。人は一人では生きれないように、国もまた、孤立した存在ではいられないことを、日本の音のみならず世界中の音がそれを語っていると思うのです。

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