茶の湯で「蝉」? 1998年7月10日 00:00 投稿
7月ともなると、釜の前に座るのがちょっと苦痛になってきます。今だからこそ、冷暖房のきいた部屋でお点前もできますが、かつては夏はあくまでも暑く、冬はとことん寒く、とそんな環境の中でのお点前でした。ですから、目に感じるもので暑さ寒さを和らげる演出は、日本の住まいがそうであるように、お茶の世界でも例外ではありません。御棚は塗りではなく白木のものを使う。釜の火は客から見えないようにする。茶碗や菓子器も涼しげなものを使う、などといろいろあります。
今日は「蝉」の話しをします。蝉の鳴き声を聞くと暑苦しく感じますが、お茶の世界ではこの蝉をちゃっとした飾りに使います。これは、お薄に限ることですが、お点前の最後に、ふくさを使って蝉を作り、それを水差しの上に飾ります。(ただし、飾れる条件があります)こんな遊びをしてしまうところも、茶の湯のおもしろいところです。この蝉ですが、作るのに結構、苦労します。
▼ この記事へのコメント
From: 加藤紀子 Date: 2009/08/03 10:54
悦子様
私も茶道をたしなんでおりますが、今の時期に平水差しの黒塗りの蓋の上に
さり気なく飾り残された蝉が大好きです。
ところが、作り方が良く分かりません。
分かりましたら教えて頂きたく、よろしくお願い致します。
From: 庵主 Date: 2009/08/21 17:51
こんにちは、加藤さん。ご質問いただき、回答が遅れてしまいました。ごめんなさい。
固い帛紗で「蝉」を作るのは難しいです。なかなか良い形になりません。雨に打たれ、強風にあおられた「蝉」になってしまいます。天国がちかくなり、道ばたにひっくり返った蝉のような形ばかりになります。
それでも、ムービーカメラでもあれば、ヘタながらその手順をお見せできるのですが、残念ながらありません。完成品を見れば理解していただけるかもしれませんので、近いうちに掲載しておきます。
From: 加藤紀子 Date: 2009/09/21 14:12
悦子様
こんにちは! 久し振りに悦子庵に訪れてみました。
ご返信ありがとうございました。
こちらからのお礼も遅くなりまして、申し訳ありません。
(9月始めから何度か書き込みをしているのですが、登録エラーになってしまいました。)
思うように作れない「蝉」の表現の豊かさに、思わず「私と同じ・・・まさにその通り!」と笑みがこぼれてしまいました。
手順が拝見できなくて残念ですが、完成品の写真を心待ちにしております。
よろしくお願い致します。