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屋根やの褌 2006年4月 3日 23:49 投稿

 かつて、人が見上げるような場所で仕事をしていたのは男性でした。21世紀の今、女性だって下から見られても恥ずかしくなく仕事ができる時代になりました。

 「褌」は一般的に男性が用いていたので(今となってはそれを着用している男性も少ないようですが、それに反するかのように女性用アンダーウェアには「褌」に類似したようなものがありますが…)、「屋根やの褌」は大工や鳶、植木職人、屋根葺き職人等、高いところで仕事をする男性に対して用いられた言葉でしたが、今や女性もそういった職種に就ける時代になったようで「屋根やの褌」もアンダーウェア同様に男女平等になっているようです。
 と言うのも、近所のマンションが壁の塗り替えをしているのですが、なんと、うら若き娘さんが男性3人とともに壁に向かって仕事をしているのです。今日の作業はブランコのような台座に座って壁の汚れを取っていたのですが、風が強いためか、中原中也の「サーカス」の詩の一節を連想させるように『 ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん』と揺れているのです。小柄な女性だったのできっと体重も軽いのでしょう。そんな光景にドキドキしてしながらも、仕事の合間に見せる、笑顔からこぼれる白い歯が春の日差し輝くと、こちらも心和んでくるのです。身につけている物は、タオルを首に巻きペンキだらけの作業着と、頭は手ぬぐいでほっかむりをしてヘルメットをかぶるという重装備でしたが、昨今の若い女性の衣装に目が慣れているためか、むしろそれが新鮮に感じるのです。
 2年ほど前、植木職人の女性を見上げたことがありました。わら屋根を葺く職業に就いた若い女性の記事を読んだこともありました。女性のトラックのうんちゃんも良く見上げるようになりました。大工に憧れていた少女時代の私は、叔母の連れ合いの大工の頭領に「大工になりたい」と言ったところ「男が下から見上げてばかりいて仕事をしなくなるからダメ」と言われた記憶があります。
 女性も「見上げたもんだ」 と腕組みして褒められる時代になったのだと、かつての自分の夢を思い出して苦笑してしてしまいました。男性の仕事の領域に女性達も積極的に参画できる時代が来るなどとは、8歳の少女には想像もつかなかった昭和40年代を遠く感じながら、私の夢を繋いでくれる女性達にエールを贈ります。

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