お姫様は怒らない 2006年12月20日 23:56 投稿
「おばさんもお姫様だよ」夕飯の膳を囲みながら、晩酌の際の連れ合いの発言です。
どこで仕入れたネタかと問うと、久しぶりにTVで観たある映画の中の台詞だそうです。そのシチュエーションを大雑把にまとめると、怒っているオバサンに子どもが『おばさんはお姫様だよ。なぜって、女の子はお姫様のように大切に育てられたんだから、怒ってはダメだよ』というようなことを話したそうです。それを聞いたオバサンは益々怒ったそうです。
今はすでに立派なオバサンとなった私だったら、ユーモアのセンスを褒めながらも何処で仕入れたネタなのか追求するだろうなぁ〜、というのが素直な感想です。そして、子どもの頃の自分はどんな風に育てられたのか振り返っていました。
幼い頃を思い起こしてみると、ご近所でも有名なお転婆娘でしたが、両親、特に父は可愛がってくれました。自慢ではありませんが、父に打たれた経験はありません。私を被写体にした写真、けっして器量が良いとは言えない娘でしたが、たくさんアルバムに貼ってあるのを見るにつけ、蝶よ花よと育ててくれたのでしょうね、きっと。
お姫様は怒らないということは、怒られたことがないから怒り方を知らない、女の子はそうやって育てるものだとしたら、躾に名を借りた虐待はもってのほかとしか言いようがありません。虐待された子どもは親になってから、自分の親が犯した過ちを再び繰り返す可能性が高いと、何かの本で読んだことがあります。女性全てが「お姫様」と言えるような成熟した社会、夢のまた夢なのでしょうか?と些細な話から深読みをしてしまったのです。