悦子庵 猫

　我が家の猫達に限らずですが、彼らは人間が考えてもいないような場所で眠るのが得意です。

　そういった場所を発見するのが、猫の特技と言い換えたほうがよいかもしれません。床や畳になにか敷いてあれば、必ずそこで寝ています。段ボール箱や紙袋、スーパーからもらうレジ袋なども、迂闊に置いておくと彼らの寝床になっています。家具と家具の隙間、本棚にできた空間などと入れるところならどこへでも侵入し、居心地が良ければそこで寝入ってしまうのですから、不眠症の人に彼らの爪を煎じて飲ませてあげたいくらいです（ちなみに猫の爪は、まるで脱皮のようにして新旧が入れ替わりますので、爪の形のまま抜け落ちています）
　さて、上の写真はどういった状況であるかわかりますか？実は、座椅子をまっすぐにして長座布団のようにしたところ、背もたれの穴にコメットがスッポリとはまり込んで寝入っているのです。背中のカーブがそれの穴のものとピッタリと合って、心地良さそうに寝ていました。体重2.5kgの彼女には丁度良いサイズで、まるで猫のジグソーパズルを見ているようでした。

　では、その下の写真ですが、体重8.5kgのモーヤンがコメットの真似をして件の場所に入ったのですが、どうもしっくりといかないようです。座布団から誕生する不思議な生き物のようにも見えます。その後の彼ですが、悪戦苦闘の末、その場所で寝ることを諦め、コメットに場所を譲りました。
　猫という生き物、寝る場所に「マイブーム」があるようで、しばらくはこの場所で眠ります。座椅子としての仕事は束の間の休息に入ります。とほほ…。