悦子庵 猫

　新居に引っ越して早5ヶ月目に入り、新しい環境にもだいぶ慣れてきました。自宅から駅までのわずか6分ほどの道程にも、今日はあの子（猫）に会えるかなと期待できる出会いがあり、出かける際には心がちょっと騒ぎます。今日はカメラをぶら下げて出かけたので盗撮をしてしまいました。

　この子は他所の飼い猫ですが、お天気の良い日は必ずと言っていいほど窓辺に佇んでいます。飼い主の方は猫を大切にしているのだなと思えるのは、レースのカーテンの丈が短くなっていることと、この子のお気に入りの敷物が窓辺に置いてあることから十二分に察します。きっと、家のあちこちにこの子の居場所もあるのだなと、我が家の猫を思いながらひとりごちています。カーテンもこの子に遊ばれた後が見えますが、こぎれいに洗濯されていて、白猫とのバランスも良いようです。
　猫にもマイブームがあるようで、気に入った場所を発見するとそこを居場所と決め込みます。この子も窓辺のこの場所がそれなのでしょう。いつまでもそこに座っていてほしいと願うのは、飼い主はもちろんですが、道行く人の願いでもあるのですが、そんなこと猫にはどうにも良いことだということは、我が家の猫たちを見て重々承知しているとは言え、人間とは思い込んだら…の動物であると、こんなささやかな出来事にも思ってしまうのです。