◀戻る

書庫 変な名前の家 日日是好日 茶の湯四方山話 点前勝手徒然帖 公共の茶室 四季のお点前 電脳世界

旧聞

-->

新着記事

最新コメント

 

茶室 スケッチ行 2000年1月12日 01:00 投稿

吉田 節雄 1990年11月14日 初版

 私は、絵が描ける人を尊敬しています。というのは、絵を描くことが苦手だからということが第一の理由に上げられます。目の前にあるもの、自分の網膜に映ったそのままを、真っ白な紙の上に手を使って表現できる技術、それがなぜ、共通のテク(お箸やスプーンを使ってご飯が食べられるような事)として全ての人に存在しないのか不思議でなりません。
 図書館の書架からこの本を取りだしたとき、カバー挿絵の大胆さに驚かされました。スケッチですから、カラーではありませんが、太いサインペンで描かれた思わされるような筆勢はモノクロの茶室のスケッチでありながら、その茶室に座っている気分を味あわせてくれます。あとは、本文を読みながら、読者の想像に任せたカラーを塗っていくのも楽しいものです。が、やはり茶室の事を少しでも知っていると、本書はもっともっと興味深く読み進めることができるようです。
 本書には10の茶室が紹介されてます。茶室の外観、茶室内部の全体、天井や床の間、また腰掛け等の細部もスケッチしていたりと、特に著者が印象深く感じた箇所のスケッチは、建築家でなければ発見できない目で茶室を見ていられるようです。茶会等で招かれる時、とかく道具組みばかりに目がいってしまいますが、次回からはじっくりと茶室を拝見することも忘れないようにしましょう。また、茶室と道具組みの協調性というものも大切ではないかと、読後しみじみと感じ入ってしまいました。
 著者のような絵は描けませんが、本書を参考にしながら、茶室の模型でも作ってみるのも面白そうです。もし、最初に作るならば。。。高校時代の修学旅行で訪ねた「慈光院」にある「高林庵」ということにしましょうか。
 発行元 淡交社

▼ この記事へのコメント

 
 
 
--> <.html">