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名残りの季節のお点前 1999年10月16日 00:00 投稿

 前回の続きのお話。名残の点前で特徴的な事は、棚を使わずに「運び」だけになることです。茶の湯の基本は「運びで始まり、運びで終わる」とも言われていますので、この時期、すなわち風炉の名残りは運びのお点前になります。もう一つの特徴的な事は、茶杓・棗などは拝見に出しません。『常使いのものですので、拝見は省略させていただきます』と言えるのも、この時期ならではのものです。まだ、面白い事がありました。これはお濃い茶のお点前ですることなのですが、棗を「大津袋」に入れたり、帛紗で包む「包み帛紗」にしたりします。古茶ですので、茶入れに入れるのも憚られるのか、棗に濃い茶を入れてお薄の点前と区別するのです。なかなか粋な計らいだと思いませんか。

 今日は替え茶碗のお薄点前と、風炉の炭点前をお稽古してきました。中置きの炭点前は、ほどほどに面倒な上に、釜が「筒釜」でしたのでもっとわけがわからなくなってくれました。炭点前の事は何れページを改めて説明するとして、灰のことをお話しします。名残の時期の灰は「掻き揚げ灰」と呼ばれ、灰に火箸で模様を書きます。と言っても、単純な直線を放射状に書くのですが、修整はあまりきかないようですから緊張しそうです。来年は是非書かしていただこうと思っています。

 この時期になると、お釜の湯がたぎる音に親しみを感じるようになります。今年の夏の暑さを思い起こしながら熱い茶を点ててきました。

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