◀戻る

書庫 変な名前の家 日日是好日 茶の湯四方山話 点前勝手徒然帖 公共の茶室 四季のお点前 電脳世界

旧聞

-->

新着記事

最新コメント

 

旅箪笥のお点前 1997年4月23日 19:48 投稿

 四月といえばやはり「桜」。今月は屋外で点てるお点前を紹介します。

 このお点前は、私の実家である「小田原」にとっても関係があるものです。豊臣秀吉が小田原の北条氏を攻める為、石橋山に「一夜城」を築きました。ここで千利休が秀吉を労う為に屋外で行なったお点前ということです。石橋山は前に相模灘、後ろに箱根の山々に囲まれた風光明媚な場所です。今では古戦場後ということで市営の公園になり、一般市民を交えて年に一度野点の会がここで行なわれています。ではこのへんで私の小習いした4月のお点前を紹介したいと思いますが、しばらくはお道具を中心にして茶の湯の世界にひたっていただこうと思っています。お道具は日頃使う、お稽古用のものですが茶の湯の雰囲気は十二分に味わえると思います。またお点前の所作は、別な形で紹介させていただけるよう考えています。

 茶道は季節感をとても大切にしています。そして季節の移り変わりがはっきりしている日本だからこそ、この芸能はこの日本で独特な文化として残ってきたものだと思っています。4月のお点前は春いっぱの道具を使った旅箪笥のお点前の紹介です。

 千利休は、右の画像のようなお道具を持って、わざわざ小田原にまで赴きました。現在でもその「箪笥」は現存していますが、白木の桐を使用していますので色は黒く変色しています。多分利休はこの箪笥を背中にしょって東海道を歩いたと想像しています。

 私達が使ったお道具も「利休好」の白木の箪笥です。右の画像はお道具を飾りつけたものを蓋を開けて撮影しました(本当は蓋は閉まった状態でお点前を始めます)これだけでも季節感が充分感じられと思います。雪洞(ぼんぼり)の形をした「水差し」「蓋置き」は3月・4月だけしか使いません。

 そしてお菓子もまた、この季節ならではのものがあり、それもまた茶の湯の季節感を豊かにしてくれます。

 右の画像は茶碗の内・外に桜をふんだんに描いています。このお茶碗もまた桜の時期しか使いません。茶碗には「茶巾・茶筅・茶杓」のお道具が仕組んでありますが、これはお点前を始めるときの基本の仕組みかたです。

 下と右の画像は箪笥の2段目の棚を利用したお点前の仕方です(これを芝点といいます)下は「棗・茶杓・茶筅」を清めた後、おきあわせたものです。棗もまた桜の蒔絵(これは輪島塗)を施したものです。右はお道具を並べ立てた状態です。お客様から見た、美しい配置を感じられるでしょうか?

 今月で「炉」のお点前ともしばらくはお別れ。炉の中の灰も山盛りになるので、この時期は自在鍵に釜をつったお点前をすることもあります。来月からは「風炉」のお点前になります。

▼ この記事へのコメント

From: カオルちゃん  Date: 2008/04/22 20:16

はじめまして!私も 表千家を 習ってます。茶歴 11年目の 薫ちゃん???です。
旅箪笥を 買おうかなと 思い検索・・・(^.^)悦子庵さんに 遭遇いたしました。とても、面白く 拝見 いたしました。とても勉強に させて 頂けると思い、初めて見ず知らずの 方に コメント書いてます。私も、前回のお稽古は、旅箪笥に吊り釜でした吊り釜の 御炭手前 2年に 1度くらいなので、四苦八苦でした。また悦子庵さんの
ブログ楽しみにしております。      高知の 薫ちゃんでした。  

 
 
 
--> <.html">