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猫語の教科書 2007年2月14日 17:59 投稿

07-02-14_01.jpg実家では私が物心ついた頃から犬を飼っていました。それが猫好きな連合いと生活を共にするとほぼ同時に、猫との生活も始まりました。そのおかげで、猫のことはよーくわかったつもりでいましたが、もしかしたら猫にはめられているのではないかという疑惑は心のどこかにありましたので、〈猫語の教科書〉との出会いはそれをきっちりと証明してくれました。

母親が交通事故にあった〈子猫♀〉がその親と死別し、その後、二本足歩行の人間の家を乗っ取り、飼い主を手なずけた方法等を状況や人物別に子細に紹介しています。その対象は子猫・家出猫・野良猫で、それらを彼らに伝授するいわゆるマニュアル本としてまとめてあります。
作者は『ポセイドン・アドベンチャー』で知られている〈ポール・ギャリコ〉です。この希代のストーリーテラーは、また無類の猫好きで、それが嵩じて〈猫語〉を翻訳して掲本を上梓したのでしょうか。

猫も10年近くも生きてくると、人間の言葉を理解する子もいるというのは私の経験からも頷けることでもあり、また、猫の鳴き声や行動で何を訴えたいのかも少しづつですが理解できるようになりましたので、簡単なコミュニケーションはとれます。そういったこと全て、実は、猫の深謀遠慮の賜物だったというのが、この本のオチなのです。が、人間の虚栄心や強欲などの数え上げれば数限りないほどの嫌な部分を逆手にとって人に取り入っていく猫の生き様、それは裏を返せば人間の生き様になるのですから、猫は尊敬すべき人生の先達者だとも言えます。

猫は「寝子」とも言われるのですから、本当に良く寝ます。寝ている時の天使の寝顔を拝顔しているだけでも、私は十二分に幸せなのですが、これも猫の計略だと思うとその顔に眉毛でも描いて立派な哲学者に仕立て上げてしまいたくなりました。

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