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初夏のお点前 1997年5月23日 19:55 投稿

 立夏になれば初風炉の時期になります。うっとおしい梅雨ではありますが、庭の苔、緑もいっそう青さを増し、この季節とは裏腹にお茶を点てる時の気持ちはすがすがしいものがあります。今回は炉と風炉の違いについてほんの少しですが説明させていただきます。下の2つの画像をみてください(右が風炉、左が炉)。
 
 本来、茶の湯は風炉が主流でした。茶は本来特定の場所で飲むものではなく、釜を移動させて飲むことが茶を飲むという行為でした。ではこの風炉の起源はいつごろかということになりますが、鎌倉時代に遡るそうです。そして茶室に炉が取り入れられるようになってから、風炉は主に夏の季節(立夏から立冬)のものとして使われるようになったそうです。

涼しさを作る

 もちろん夏でも湯を沸かし、茶を点てます。夏のお点前は涼しさの演出が重要なものになってきます。まず、風炉の火は客人からなるべく見えないようにする配慮。釜を涼しげに見せるために茶巾で拭き、濡れたように見せる演出。茶碗も胴が低く底の広いものが使われます。床の飾りは朝顔を一輪、水を拭いて竹の篭や法螺貝に生けたりと、見た目の演出が大切になってきます。屏風は葭(よしず)、障子は簾、庭には打ち水。座敷を渡る風も心地よく感じることでしょう。

初夏の菓子
 
 写真のお菓子は「岩躑躅」。晩春の頃、深山の岩にひっそりと咲く躑躅(つつじ)の緑にぽっと咲く赤い花をイメージしたものです。

 お菓子では珍しく「つばめ」の型をねりきりの上に羊羮を使って表したもの。

 ところで、和菓子には動物の名前を使ったものが幾つかあります。「羊、犬、牛、鹿、鯨、猪」ですが、種類や名前は解りますか?まず羊は「羊羮」。犬と牛は「犬皮(けんぴ)と牛皮(ぎゅひ)」。鹿は「鹿子餅」。鯨は「鯨餅」。猪は「亥の子餅」。食べたことのないもの、聞いたことのない名前もあると思いますが、意外な事に和菓子の世界では動物の名前が使われていることに気づかれたことと思います。

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